
WANDERLUST
不惑の四十を超えて、ますます迷うことばかりの昨今。仕事もプライベートも、なんとなくここまで無我夢中に来てしまったけれども、この先も自分が進む道はこれで良いのだろうか?自分の人生って何だったんだろうか。そんなことを考えることがある。
ふとしたきっかけで、自分のここ数年の旅の写真を見直すことがあった。そして、ハタと気付いたのは、この旅、この風景を体感したことこそが、何よりもの自分の財産、自分の人生である、ということ。
バスクの雄壮な祭りをバスク人の友人と飲んで歌って一緒に見たこと。マダガスカルのバオバブ並木を歩き、レムール(キツネザル)三昧だったこと。極寒のカナダの山間を犬ぞりで疾走したこと。アラスカで野生のカリブーが池を泳ぐのを見たこと。ノルウェーで人なつこいオオカミと触れ合ったこと。アイスランドで別の惑星のような風景の中をバギーで走り、月面探索のような気分を味わえたこと。たぶん、なかなかできる経験ではない。自分自身だって、写真を見返すと、本当に自分がそこにいたということが信じられないくらいだ。
もう随分と旅をしてきた。それでも旅への熱意は治まることなく、いつも旅のことを考えている。旅の楽しさに目覚めたのは大学院を修了したときのいわゆる「卒業旅行」。友人と東南アジアを1ヶ月バックパッカーとして旅をした。それから病みつきになって、プライベートで多くの旅をするうちに、仕事も国際に関わる担当となり、出張でもいろいろなところに出かけるようになった。海外渡航回数は80回以上、訪問国数も40カ国を超えた。
もちろん、世界は広いし、まだまだ行ってないところの方が圧倒的に多い。しかも、同じ場所でも、いつ、誰と、どんな経験をするかでまったく違う印象を持つだろう。それでも、普通よりは少しだけいろいろなものを見て経験する機会に恵まれたので、その経験をシェアしたい。そんな私の溢れ出る旅ゴコロ(wanderlust)が、これを読んだ皆さんの旅ゴコロも刺激し、共に旅のことを語り合えたらとても嬉しい。

wanderlust
放浪癖,旅行熱,旅心